2019/11/1静岡地裁 第3回旧優生保護法裁判

13:00学習会
  11月1日(金)、第3回旧優生保護法裁判開始前の13時00分から、県弁護士会館でこの裁判に関わる裁判用語の学習会を行った。 最初に静聴協小倉事務局長が裁判で使用する用語「裁判」「法廷」「原告」「被告」などをパワーポイントの手話動画で映し出し、靏岡(つるおか)寿治弁護士が解説を加えていった。手話単語は、護団も出席者も共に表した。その後、西澤美和子弁護士から裁判の流れ、裁判所の配置の説明を行った。

14:30裁判
  弁護士会館から地裁まで行進を行い、入廷した。今回は52名が傍聴し、満席となった。佐野雅則弁護士は、原告準備書面で以下の意見を述べた。(詳細は報告会参照)
 第1 特別の賠償立法の不作為が国家賠償法上違法であること 
   1憲法上の権利侵害、損害賠償請求権の発生
   2立法措置の必要不可欠性
   3立法措置の必要不可欠性の明白
   4国会が正当な理由なく長期に立法措置を怠ったこと
 第2 本件静岡訴訟と仙台判決批判との関係

15:00報告会
 裁判後の報告会では、太田吉則弁護士が司会を務め、静岡県聴覚障害者強制不妊手術調査委員会が作成した裁判応援動画を上映した。冒頭のあいさつの中で、大橋昭夫弁護団長は「ろう者がどのように思い、生活し、法がどのような役割をしてきたのか、この動画を見て一目で分かる。戦後の新憲法でたくさんの議員が誕生したが、旧優生保護法はできた。人間の心は移り変わりが激しい。差別はまた新たな差別を生む。この裁判を勝ち取ろう」と呼びかけた。
 原告側代理人を務めた佐野弁護士は、裁判の説明に入る前に「本日の裁判で何が行われたのか。裁判官が異動により、前回の左陪席が変わっている。準備書面2の陳述、宮川さんの手術を証明する書類など証拠資料と法に関する様々な文献などの書類の証拠調べを行った。裁判は勝ち切らなくてはならないので、戦術が必要である。リプロ権・除斥期間・立法不作為ということばが出てくるが、それらばかりが注目され、旧優生保護法の問題と言われるが、それが本質的問題ではない。人として生きる価値、命の選別を国が実力行使で奪った。その共通の恐怖や怒りが本質である。マスコミの皆さんもこの本質を見失わないように」との発言に出席者は大きく頷いた。
 DPIの藤原久美子さんが兵庫より傍聴に駆け付け「7/28のろう教育静岡フォーラムに招かれた。皆さんカンパありがとうございました。2014年日本は障害者権利条約を批准、約束します、守りますと言った。来年、日本が国連の委員会から審査を受ける。その質問内容を決める会議がスイスのジュネーブで行われた。日本には問題がたくさんあることを伝えに行った。委員は仙台判決を疑問視。強制不妊手術が、質問項目に入った。強制不妊手術は権利条約の第17条、障害者がそのままの状態で保護される権利に違反。更に第15条の拷問、残虐行為の禁止にもあたる。第25条健康に関する権利ではリプロ権にも触れられている。来年も国連に赴き、訴えを行う。静岡の裁判も応援している」と述べた。
 また、東京のろう者の松田崚弁護士も来静し「静岡県は熱海までは来たことがあるが、静岡市は初めて。事前学習会で裁判用語を学ぶなど熱心さが伝わる。動画にも感激した。東京では北三郎さん(仮名)の訴訟に関わっている。北さんは手術をされたことを奥さんにずっと伝えられなかった。奥さんが亡くなる寸前に打ち明けたところ「しっかりとご飯を食べるのよ」と優しい言葉をかけて、逝った。東京の裁判も終盤を迎え、1月には北さんへの尋問もある。お互い頑張っていきましょう」と語った。