2020/10/1進行協議

 10月1日(木)、静岡地裁に提訴したろう高齢女性、宮川辰子さん(仮名)の第5回目の法廷での裁判は今回も開催されず、再び裁判所、弁護団、被告国側の3者による「進行協議」が行われた。
 その後、シズウエル会議室にて、弁護団から静岡県強制不妊手術特別調査委員会に対して、以下の報告が行われた。
 裁判官3人、被告国側は東京法務局から3人と静岡法務局から2人の計5人、弁護団からは6人が出席した。今回裁判所に提出した第6準備書面は除斥期間に関するものであり、民事訴訟上のルールについて記載している。進行協議期日では準備書面を提出扱いできない(裁判の判断資料とならない)。そのため、12月25日14時30分からの第5回目裁判の口頭弁論(法廷でのやり取り)の開催を要望した。国は宮川さんの強制不妊手術を「不知(知らない)」としている。裁判官は国に対し「(不知としているなら)国は積極的には争わないのか」と質問。国の代理人は、「手術の事実を認める訳ではないので原告側に立証をしてもらいたい」「仙台や東京よりも立証が薄い」と述べた。さらに、裁判官から弁護団に対し「この手術は第4条に基づく手術で良いのか」との質問があった。旧優生保護法の第4条とは、手術に先立ち審査会の決議を経た場合を言うが、宮川さんの件で審査会が開かれた証拠は把握していない。静岡県に証拠開示をしたが残っておらず、弁護団は「第4条の主張ではない」と答えた。裁判官から「記録が全部ないのか」と尋ねられ、弁護団は「少なくとも宮川さんのものはない」と回答した。
 報告の後は、静岡県強制不妊手術特別調査委員会の委員からいくつかの質問が続いた。
 委員の「不知の意味は」に対し、宇佐美達也弁護士は「裁判では認める・認めない・不知(知らない)がある。『知らない』は争われていることを示すので、それに対して弁護団は立証、つまり証拠を示す必要がある。大阪では手術したかどうかが争われているケースもある」と話した。他の委員から「裁判所が第4条にこだわる理由は何か?」の質問に同弁護士は審査会を経てその記録が残っていれば、宮川さんが手術を受けていること自体は争いとはならないからだと思う旨説明した。