2020/7/3進行協議

 旧優生保護法の被害を訴えて、昨年1月、静岡地裁に提訴したろう高齢女性、宮川辰子さん(仮名)の第5回目の裁判は、新型コロナウイルスの感染防止のため弁論期日が取り消され、法廷が開かれないため傍聴ができなくなった。その代わりに裁判官と弁護団と被告である国の3者のみの「進行協議」が行われた。
 7月3日(金)、進行協議終了後、シズウエルにて、弁護団から静岡県強制不妊手術特別調査委員会の委員に対して報告が行われた。
 佐野雅則弁護士が、今回裁判所に提出した第5準備書面の内容を説明。「静岡県では『強制不妊手術を行ったこと自体が違法である』」との考えを示しているが、裁判所から『違法行為の内容が何か』を説明するよう求められた。弁護団では、宮川辰子さんに対する国の違法行為を『厚生大臣が、違憲無効である旧優生保護法の執行を速やかに停止せずに優生政策を推進し、その優生政策推進の一環として本件手術を行ったこと』と定義し、国賠法の要件を満たすことの主張をしていくこと」を説明。また、進行協議の中で、国が「宮川さんに不妊手術が行われたこと自体は積極的に争うものではない」と確認したと報告。
 特別調査委員のひとりが「除斥期間は、昔作られたもの。人生百年の時代にあって、適法ではない」と述べると、佐野弁護士は「除斥期間がなぜ設けられたかは、元々社会の安定のために作られたもので(争いが長く続くことを避ける意図)、個人の能力は考慮されていない」と制度の説明をした。「しかし、東京の裁判で平成8年(母体保護法に変わった時)まで起算点をずらした。更に後ろに延ばせるようにするのが突破口となる」と述べた。他の弁護士は「法律論としては厳しいが、従来の法解釈に反すると主張したい」と述べた。 その後、東京の判決と今後の静岡の裁判の進め方について、話し合いが行われた。